日本全体をお守りする
神田明神
〈東京都〉
私が好きな神社は、いくつかありますが、その中でも、特によく足が向いてしまうところのひとつに、神田明神があります。
神田明神は、東京都に住む人にとっての、守り本尊。
1300年近くの歴史をもち、江戸の時代から、東京都心をお守りいただいています。
そして、皇居にとって、鬼門にあたるところに位置し、日本全体をお守りする役目を果たしているのです。
写真で見ての通り、入口の左右には隨神(かんながら)像を配しています。
右は豊磐間戸神(とよいわまどのかみ)、左は櫛磐間戸神(くしいわまとのかみ)。
熊本城域内の、加藤清正公お手植えと伝えられている樹齢500年の楠を使用している一木造で、パナソニックの創業者でもある松下幸之助さんがポケットマネーで奉納なさったそうです。
|ビジネス成功にはここ!
神田明神は、自分の願望や、やりたいことの達成を後押しして下さる、そんなパワーに満ちた場所です。
こちらの御祭神は、一之宮が、大己貴命 (おおなむちのみこと)。
いわゆる大黒様で、縁結びの神様です。
そして、二之宮は、少彦名命 (すくなひこなのみこと)。
えびす様のことで、商売繁昌の神様です。
そして御祭神はそれだけではありません。
さらに、三之宮には、平将門命 (たいらのまさかどのみこと)。
まさかど様は、除災厄除の神様として祀られています。
平将門といえば、怖いとか、呪いだとか、恐ろしいイメージが先に立つのではないでしょうか。
しかしこの平将門様というのは、武士のさきがけ、「兵(つわもの)」として、京の都から吸い上げられるばかりだった関東の政治改革をはかり、命をかけて東の民衆を守ったとされるお方なのです。
さらに、関ヶ原の戦いのおりには、徳川家康公が先勝のご祈祷を行ったところ、みごと勝利し天下統一を果たされたことから、縁起の良い勝守りとして、大切にお祀りされているのです。
その後、江戸の守り神として、江戸城の鬼門の位置に鎮座し、現在に至るのです。
新たな国の改革を行った平将門様の、強さと改革の力。
大己貴命の、人と人との縁を結ぶ力。
少彦名命の、知恵。
まさに、ビジネスに必要な要素を兼ね備えたパワースポットです!
|神田明神と出雲大社には共通点が…
御祭神についてお話ししましたが、大国主命(おおくにぬしのみこと)と、少彦名命(すくなひこなのみこと)は、出雲大社と同じなんです。
国造りの大国主命(おおくにぬしのみこと)の魂の名前が、大己貴命(おおなむちのみこと)。
そして少彦名命(すくなひこなのみこと)は、いわゆる一寸法師。
海の向こうからやってきて、国造りを手伝ったとされているこの神は、知恵の神様で、医療の神様でもあります。
小さな一寸法師ですが、ものすごい知恵を持っています。
その出雲大社の神々が、なぜ神田明神に来ているかというと、出雲の大社を作った人たちが流れてきて、江戸に入って、江戸でその出雲系の人たちが神田明神のはじまりに関わっているからなのです。
|私にとっての神田明神の魅力とは
神田明神は、私が仕事で訪れる場所に近く、まるで庭のごとく、月に一度は訪れる場所です。
神社自体のパワーもさることながら、私にとって特別である理由があります。それは、こちらで親しくさせて頂いている、清水権宮司さま。
色々な神社を訪れている私が、この神田明神に惚れた要因のひとつが、清水権宮司の奥深さと、気品のある神々しい祝詞の声。
この美しい声を聴きたくて、私は神田明神へと足を運ぶようになったのです。
普通にお話される声から、祝詞(のりと)になったとたん、細い糸が天に向かって、その先で大きく広がっているような、そんな引き込まれるお声です。
|お気に入りだからこそ
さて、月に一度は訪れる神社だからこそ、もちろん新年のご挨拶に伺うのですが…さすが江戸の守り神、初詣シーズンには、ものすごい人です。
私は、清水権宮司のお声を聴きたくて、いつもご祈祷をお願いするのですが、この時ばかりは、神社もどうしてもたくさんの依頼をさばかねばならず、私のご祈祷も、埋もれてしまうように感じます。
ですから私は、年明けひとまずさっとお参りだけさせて頂いたあと、2月4日の前にもう一度ゆっくりお伺いして、ご祈祷させていただき、お札などはその時に頂くのです。
それでないと、流れ作業のようなお参りの中では、私自身も、慌ただしくて魂が入らないような気がします。
さらに、清水権宮司さまに祝詞をあげて頂きたければ、混んでいる時期にはなかなかご指名でのお願いはしにくいので、別の方になってしまいます。
私にとっては大きな違いなので、時期をずらして、前もって予約を入れて訪れるようにしています。
2~3人で清水権宮司さまに祝詞をあげて頂くのは悪いので、行きたがっている周囲の知人やスタッフを引き連れて、いつも10~20人のツアーを組んで、お願いしています。
全員正装で、白いハンカチを持参し、気合を入れて訪れるようになって、もう5年以上は経つでしょうか。
それまでは一人で行っていましたが、今では新年のお参りは一大イベントとなっています。
そして上の写真、大祓いの鳥居は、八の字にまわると穢れがとれるといわれています。
大祓いの時期、6月と12月の末になると現れるこの鳥居。
節目に訪れると、色々な顔が見られます。
皆さんもぜひ。
|進化を続ける、神田明神
清水権宮司さまは、常々仰っていました。
神田明神は、神社の中でも、これからの神社がどうあるべきか、いち早く改革を進めていく神社ですと。
神社というと、建立された時から変わらず、地方の小さいところだと、宮司様も掛け持ちで、通常は人が居ないことも多いところが多々あります。
ずっと変わらない良さももちろんありますが、神田明神はいつも最先端!
場所柄多く訪れる海外の方々のために、表記も日本語だけでなく英語・中国語・韓国語!
そして、お参りが終わった後には、おみくじを引いたり、お守りやお札を購入したり、御朱印を頂いたりする場所としては、社務所というのが一般的だと思いますが、ここ神田明神はさらに進化!
2018年からの工事がようやく終わり、文化交流館 「EDOCCO」が完成しています。
こちらの施設では、そういった神社グッズともいえるものが、ミュージアムショップかな?と思うような場所で気軽に選べます。
併設のカフェでは、昼はランチとスイーツ、夜にはおでんと日本酒が楽しめるとか。
その他にも、様々な文化芸能を体験できるスタジオもあり、公演などの案内が見られました。
神田明神には、本来のお参りだけでなく、日本の文化を楽しめる総合エンターテイメントスポットとしての魅力も、新たに加わっているのです。
|お参りの後は…
お参りしたら、直会(なおならい)として一緒に訪れた人たちと食事をし、日常に戻りますが、なかでも私がここ神田明神を訪れた際に行きたいと思う場所を、ご紹介します。
こちらの大天もりは、えびが二本、八の字に盛り付けられて、末広がり。
そして天ぷらは「揚げる=上がる」と、運気上昇の縁起物でもあり、直会にはうってつけ。
さらにオススメは、たまごやき!
こちらは予約を入れておかないと食べられません。行くと決めたらとにかく電話を入れる。そんなお気に入りメニューです。
前日までには予約を入れたいところですが、直前でも大丈夫な時もあるようです。混み具合次第ですので、余裕をもってお願いしてみてください。
(*写真はHPからお借りしました。)
◆居心地の良い喫茶店「乙コーヒー」
こちらは、11時過ぎにならないと開かない、とても居心地の良い喫茶店です。
鳥居を目の前にすると左側にある喫茶店で、クラシックを聴きながら一人静かにカフェオレを頂くのが、自分を見つめ直す良い時間です。
ここでは、誰もおしゃべりをしていないので、静かにするしかない、という感じでもあります。
お参りをし、神様とお話をした後に、その余韻をかみしめ、自分の中で消化するためにも、少しその近くでゆっくりと過ごしたいとき、ここはとてもいい場所です。
ただ、午前中の早い時間に行くと、ここはやってない。
ですから、そういう場合は、その近くの甘酒屋さんを訪れます。
こちらは、日本で最初の甘酒屋さんだそうで、こちらもいつも混んでいますが、ホッと一息つける場所です。
神社にただ行くだけでなく、その周辺も楽しむのがオススメです。
|古くて新しい神田明神
私が仕事で行き詰まったり、悩んだりしたら、つい足が向いてしまう場所です。
そして私の決意や言霊を聞いていただく場所。
好きだけど、思い立ったからといってすぐにはいけない熊野と違って、ともすると、年に12回以上は行ってしまう神田明神は、私にとってもう人生の一部となっています。
年末年始の節目に、自分と向き合う場所として、ここをぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。