ムカーウィル(ヨルダン)
【概要】
ヨルダンの西部に位置する村。
村の西側の丘には、紀元前1世紀にユダヤ王のヘロデが築いた城塞の遺跡がある。
観光名所のひとつになっているが観光客はあまりいない。
バスを使用するよりも車をチャーターしたほうが訪れやすい。
ヨルダンの西部に位置する村。
村の西側の丘には、紀元前1世紀にユダヤ王のヘロデが築いた城塞の遺跡がある。
観光名所のひとつになっているが観光客はあまりいない。
バスを使用するよりも車をチャーターしたほうが訪れやすい。
こんにちは。ステラです。
今日は、先日ヨルダンに行った話しの続きをしたいと思います。
ヨルダンには何度も訪れていますが、毎回発見がある魅力的な国です。
今回の目的地はムカーウィル。
ヨルダンは聖書の舞台となった場所が多いのですが、ここはヨルダン川でイエスに洗礼を授けた人、洗礼者ヨハネの逸話が残る地です。
ヨハネはヘロデ王の結婚に反対したため、ムカーウィルの砦に幽閉されていました。
そのヨハネを快く思わない妻、ヘロテアの娘サロメがヘロデ王の前で見事な舞を見せます。
喜んだヘロデ王はなんでも欲しいものを与えようと言うと、サロメが望んだのはヨハネの首でした。
この逸話はオスカー・ワイルドの戯曲としても有名です。
ムカーウィルは車をペトラ方面へ走らせマダバの南西約20キロメートルに位置しています。
そこまでの道のりは延々と続く砂漠地帯。
ずっと同じ風景を見ていると、いつのまにか夢見心地に。
ムカーウィルに到着する手前の1km前で運転手さんがステラさん、ここですよ!と声をかけてくれました。
はっと気づいて見回しましたが、周囲には誰もいません。
観光地なのに無人なのが不思議でした。
運転手さんに尋ねると、ここには韓国人や日本人、アジア人はたまに来るけれどヨーロッパ人、アメリカ人は誰も来ないとのこと。
目の前にあるのは小高い丘、ただそれだけです。城塞の跡のようなものもあるようですが、なんだか寂しい場所です。 紀元前1世紀にムカーウィルというお城が建てられたそうですが、なぜこの土地に、と不思議でたまりません。 栄えていた姿がまったく想像できないのです。
運転手さんの説明によると車で行けるのはここまで。
あとは、あなた達がここから歩いて山を登らなければいけない、と言われました。
山の上り下りには、往復で1時間がかかりますが、どうしましょうと尋ねられました。
私は考えた末、山に登らず車の中から写真を撮ることにしたのです。
これがムカーウィルの小高い丘です。
そこからまた車を走らせペトラへ方面へ。ムカーウィルから約3時間走ってショーバック城に来ました。
ここは、1099年に十字軍がエルサレムに訪れヨルダンに進出する足掛かりとした場所です。
ここは、アンマンから南に約100キロ行ったところにあるカラクという場所の近くにあります。
そこで車から降りると一人の男の子がロバに乗って佇んでいまいた。
その光景が周りの背景とあまりにもピッタリだったので思わず写真を撮ってしまいました。
誰もいない場所に、ひとり佇んでいる少年。
どうしてここにいるのか?
これからどこにいこうとしているのか?
言葉が通じないため、話しかけることができません。
ただ、その少年の奥深い瞳の煌めきが、この景色以上に心に残ったのでした。
2013.09.26