ストーンヘンジ(イギリス)
何の目的で、誰が造ったのか?謎だらけの太古の巨大遺跡、ストーンヘンジ
みなさんは、「ストーンヘンジ」という名前を聞いたことがあるかと思います。イギリスのロンドンから南西約90kmの草原地帯にある太古の巨石遺跡。宗教儀式に使われた神殿なのか、古代の天体観測所なのか、造ったのは誰なのか……。謎につつまれたこの遺跡を、私は以前から一度この目で見てみたいと思っていました。
ロンドンから現地へバスで向う当日は、あいにくの小雨。晩春だというのに肌寒く、途中の休憩所でコートを購入したほどでした。ストーンヘンジがあるのは、荘厳な大聖堂で知られるソールズベリーの街の郊外。あたりは草原地帯でイギリスらしいのどかな雰囲気にあふれています。
草原の中をバスで走り続けると、やがて彼方に、特徴のある巨石群が見えてきました。写真では何度も見ていますが、実際に見るストーンヘンジの風景は、やはり不思議なものでした。明らかに目的があって造られた人工物であるのに、他の古代遺跡とはまったく違い、人間のにおいを感じさせないのです。周囲の草原とはまったく異なる別世界—それがストーンヘンジの第一印象でした。
遺跡全体を包むブルーのオーラ、そして薄紫、オレンジのオーラも。
その理由は一体……?
遺跡で見られたオーラも奇妙なものでした。サークル状の遺跡全体は神秘的なブルーのオーラに包まれています。しかし、立ち並ぶ石柱の上部だけはオーラの色が薄紫で、さらに、サークルの中心部を見ると、そこだけオレンジのオーラになっているのです。つまり、ストーンヘンジのオーラは、ブルー、薄紫、オレンジの3種類で構成されています。
直感的に思ったのは、「ここは祈りの場所だったのではないか」といいうことです。というのも、ブルーのオーラに、とても神聖なエネルギーを感じたからです。石柱上部の青紫のオーラには一段と深い神聖さを感じましたが、それはこの場所が祭壇だったからかもしれません。そして、中心部のオレンジのオーラについては、かつてここで火が焚かれた名残のように思えました。夏至や春分など一年の決まった日に、特別な立場にある者たちがここに集い、火を焚き、祭壇に生け贄を捧げ祈祷をする―。
そんなイメージが私の脳裏に浮かびました。
しかし不思議なことに、ここには人間のエネルギーというものが感じられません。では、これを造った者は、一体誰だったのでしょう?何十トンもの石をいくつもこの地へ運び、サークル状に並べ、祈りの場を造り上げる。それが神の所業でないとすれば……。私は、宇宙からやってきた者たちのかかわりを強く感じたのでした。
大英博物館で、憧れのエジプトの神像たちに対面。次回はぜひエジプトへ!
不思議な感覚を抱いたまま、私はストーンヘンジを離れました。帰途には、紀元前にローマ人によって開かれた保養地、バースに立ち寄りました。
ローマ時代の浴場跡やゴシック様式の聖堂があるこのまちでは、保養地らしい解放的なムードもあり、ストーンヘンジでとらわれた「一種の緊張感」から、解き放たれていく思いがしました。
ロンドンでは、大英博物館へ足を運んでみました。ここでのお目当ては、充実のエジプト・コレクション。エジプトの神話は、私の専門であるタロット・カードの起源と深く結びついていることもあり、神像たちに会っておきたかったのです。神秘的な神像たちは、エジプトへの私の憧れをかき立てるに十分なもの、次回はぜひエジプトへみなさんをご案内したいと思いました。
世界にはさまざまな名所があり、そこはさまざまなオーラに彩られています。
それぞれのオーラを知ることは、その場所に秘められた歴史のドラマや、いにしえの人たちからのメッセージを知ることでもあります。ぜひ、みなさんも多くの場所を訪れて、神秘のオーラパワーにふれてみてください。
ストーンヘンジ ―約5000年前に起源を持つ、謎に包まれた古代遺跡
ストーンヘンジは、巨大な石柱が横石を支える構造の石群が、直径約30メートルのサークルをつくっている。さらにその内側にも、巨石が馬蹄形に配置されている。
ストーンヘンジの歴史は、大まかに言って3つの段階を経てきたとされている。初期は土手と堀からなる円形の場所で、約5000年前に一種の集会所として使われたという。4900年前から4600年前にかけての第二段階では、木造の構造物が出現。さらに、遠くはウェールズから運ばれてきた巨石でサークルが造られていった。そして、4500年前から4000年前には、最終的な神殿のような形態になった。現存する遺跡は、およそ3600年前のものといわれている。
しかし、最大45トンもの巨石をどうやってここまで運んだのか?どうして入口の方向が夏至の日の出の方向とピタリと一致しているのか?それらの謎についてははっきりと解明されておらず、宗教施設や天体観測施設など、さまざまな説を生むこととなった。
人類の宝を集めた、世界最大級の博物館「大英博物館」
ロンドンを訪れたら、必ず訪れたいスポットが、大英博物館だ。開館は1759年。しかし、当初は、一日10人程度が訪れる施設にすぎなかったという。博物館のコレクションが充実していった時期は、イギリスが世界に覇権を誇った時期と重なる。18世紀末から19世紀にかけて、エジプト、ギリシア、メソポタミア、西アジアなどの考古学的な遺物が、“贈り物”として、あるいは“戦利品”として、続々博物館へ運びこまれた。そのなかには、フランスのナポレオンの軍隊がエジプトで発見し、イギリスが奪った有名なロゼッタ・ストーンも含まれている。これらの展示品の中には、現在、本国から返還を求められているものも少なくない。
大英博物館で人気があるのがエジプト・コレクションで、エジプト本国以外では最も優れたコレクションとなっている。王や神の石像や鮮やかな壁画などに目を奪われるが、人間のほか、鳥、猫、ワニまであるミイラも興味深い展示物となっている。
ストーンヘンジは、巨大な石柱が横石を支える構造の石群が、直径約30メートルのサークルをつくっている。さらにその内側にも、巨石が馬蹄形に配置されている。
ストーンヘンジの歴史は、大まかに言って3つの段階を経てきたとされている。初期は土手と堀からなる円形の場所で、約5000年前に一種の集会所として使われたという。4900年前から4600年前にかけての第二段階では、木造の構造物が出現。さらに、遠くはウェールズから運ばれてきた巨石でサークルが造られていった。そして、4500年前から4000年前には、最終的な神殿のような形態になった。現存する遺跡は、およそ3600年前のものといわれている。
しかし、最大45トンもの巨石をどうやってここまで運んだのか?どうして入口の方向が夏至の日の出の方向とピタリと一致しているのか?それらの謎についてははっきりと解明されておらず、宗教施設や天体観測施設など、さまざまな説を生むこととなった。
人類の宝を集めた、世界最大級の博物館「大英博物館」
ロンドンを訪れたら、必ず訪れたいスポットが、大英博物館だ。開館は1759年。しかし、当初は、一日10人程度が訪れる施設にすぎなかったという。博物館のコレクションが充実していった時期は、イギリスが世界に覇権を誇った時期と重なる。18世紀末から19世紀にかけて、エジプト、ギリシア、メソポタミア、西アジアなどの考古学的な遺物が、“贈り物”として、あるいは“戦利品”として、続々博物館へ運びこまれた。そのなかには、フランスのナポレオンの軍隊がエジプトで発見し、イギリスが奪った有名なロゼッタ・ストーンも含まれている。これらの展示品の中には、現在、本国から返還を求められているものも少なくない。
大英博物館で人気があるのがエジプト・コレクションで、エジプト本国以外では最も優れたコレクションとなっている。王や神の石像や鮮やかな壁画などに目を奪われるが、人間のほか、鳥、猫、ワニまであるミイラも興味深い展示物となっている。
2004年12月「恋運歴」(イーストプレス)『オーラ紀行』