10年で何が起こるのか


世界はどこへ向かうのか
10年ひと昔と言いますが、10年前、果たして何人の人が現在の日本の状況を正確に想像できたでしょうか。右肩上がりだった給与は上がらないどころか、ボーナスカットが当たり前という厳しい雇用情勢。国民のいらだちは政権交代を呼び、民主党が与党となったものの、いまだ日本経済の再生には至っていません。

一方で、世界はアメリカ発のサブプライム・ローン問題による経済不況に覆われ、世界経済を牽引してきた成長国家の消費縮小やビジネスモデルの限界が明らかになり、軟調なステージに入りました。そうした状況下にあって、経済成長を続ける中国がGDP 第2位になり、ネクスト11といわれる新興国の勢いが際立っています。

では、この後に続く10年はどんな時代となるのでしょうか。率直に言うと、残念ですが、これからの天体動向からすると、決してバラ色とはいかなさそうです。まさに、過去には革命など歴史的な大事件を引き起こした天体配置と同じ巡り合わせが2008年から始まっており、2012年まではさらに凶作用が強まるなど、むしろ、さらに厳しいステージが待ち受けているともいえるでしょう。

でも、もしこれからの10年がどう変化していくのか、その流れをある程度知ることができたら?少なくとも、事前に対策を練ってきたるべき時に備えることができますから、被害は最小限に食い止められるのではないでしょうか。
さらに言えば、ピンチをチャンスに転じることができれば、今よりも満足のいく状態に変化させることも不可能ではありません。
あなた次第で、未来は変えられるのです。

これからの10年の流れをさまざまな角度から読み解いて、成功へ向けたチャンスの芽を見つけていきましょう。


注目すべき星の運行について
まず、特に強い影響を及ぼすとされる天体配置について、それぞれどんなことが起きる巡り合わせなのか見ていきましょう。

西洋占星術において、地球に影響を及ぼすとされているのが太陽系10天体。
そのうち、公転速度の速い水星、金星、火星は個人の生活に影響を与え、長い年数をかけてゆっくりと巡ってくる木星、土星、天王星、海王星、冥王星は、世の中の動向に強く影響するとされています。

一方で、占星学の視点から世の中の現象を読むときには、アスペクト、つまり、主要な天体同士の配置角度が大変重要となります。中でも、天体同士が0度、180度、90度、120度の位置をなす巡り合わせはメジャーアスペクトと呼ばれ、特に大きな影響を生み出すので重要な要素と考えられています。

今後10年を読み解くカギは、木星、土星、天王星、海王星、冥王星がどういう動きを見せるのか、さらにそれぞれがどのようなメジャーアスペクトを織りなすか、にあるのです。

そこでまずは、特に注目すべき天体の運行について、取り上げていきましょう。


冥王星、天王星、土星

2008 ~ 2012 年/冥王星、天王星、土星からなる カーディナル・クライマックス

今後10年の中で、もっとも注目すべき現象といえるかもしれません。
これは大変な凶作用をもたらすハードアスペクトでもあるため、次項でさらに詳細をお話ししたいと思います。

天王星、海王星

2003 ~ 2011年/天王星、海王星からなる ミューチュアル・レセプション

ミューチュアル・レセプションとは、お互いの天体が、相互にそれぞれを支配する星座にある状態のことです。
つまり、天王星のつかさどるみずがめ座に海王星が、海王星がつかさどるうお座に天王星が、それぞれ回遊しているということ。
その状態は、天王星がおひつじ座へと移行する2011年の3月12日まで続くのです。

この時期、テクノロジーで人々のライフスタイルを変えてしまうような、新たな発明が生まれる素地が与えられています。 インスピレーションやアイデアが抜群に冴え、芸術や多くの発明にもこれまでとまったく異なるアプローチから新たな創造物が生まれるでしょう。

カーディナル・クライマックスから受ける凶作用に負けることなく、社会や経済に明るさをもたらすためにも、ぜひ力をもらいたい天体配置といえるでしょう。

土星、冥王星

2001 ~ 2020 年/土星、冥王星がオポジションからの下降期に

2つの天体が重なり合ってから徐々に離れて距離が広がっていき、180度の位置になった後、再び接近し続けて重なるとき、その重なってから対極に位置するまでを上昇期、180度から再び重なり合うまでを下降期ととらえています。

天体同士が角度を構成し合うとき、たとえば90度をそのまま90度と見るか、または270度と見るか。
それによってその角度自体の表す意味合いが変わってくるというものです。

2001 ~ 2020年の間、土星と冥王星が下降期にあるのですが、これは経済にも強く影響を及ぼす動きでもあります。
通常、土星と冥王星が上昇期にある間は経済成長や発展がうながされ、ひとたび下降期に入ると、経済は縮小に転じるといわれているのです。

つまり、2020 年までは経済が真に回復するのはかなり難しいといえるでしょう。
当然、投資においてもかなりタイミングが重要になってくるといえます。
そうした長期ビジョンを念頭に置いて、厳しい局面の中でいかにチャンスをつかむか、戦略的に行動する必要があるといえるかもしれません。

火星、木星、冥王星

2012 年/火星、木星、冥王星からなる地のグランド・トライン

2012年の天体配置で特徴的なのは、火星、木星、冥王星がそれぞれおとめ座、やぎ座、おうし座で120度の角度を構成することでしょう。
これらはすべて地のサイン。チャート上でこの3天体を結ぶと正三角形になります。
占星学ではこれをグランド・トラインと呼んで、影響を分析します。
相互に作用し合うことからサインの持つ意味を強調する、とても強いアスペクトとされています。

一方、火星は人々のマインドを表す第1ハウスに、木星は株式や投機、レジャーなどを表す第5ハウスに、冥王星は政治家を表す第10ハウスにあることから、世の中の動向でもそうした事象がグランド・トラインの影響を強く受けることになります。

地のサインは物事を固めていく働きを備えているのですが、この年は、国民から抜擢された閣僚が活躍する中で、ギャンブルに関する法案などが通過するなど、新しい仕組みがつくられる暗示があります。
極論すれば、政府が日本にカジノを創設して、その収益で国庫が潤い国民が喜ぶということさえ、あり得ないことではないでしょう。

また、グランド・トラインは、よい影響をもたらすアスペクト。もちろん、株や投機などのマーケットにも勢いが生まれてチャンスが到来しそうです。

冥王星、天王星、木星

2014 年/冥王星、天王星、木星のT字スクエア

2014年の天体配置で特筆すべきは、情報などを表す第3ハウスに回座する天王星が、裏カリスマなどを表す第12ハウスの冥王星と、労働条件などを表す第6ハウスにある木星、それぞれと90度ずつのスクエアという角度を構成して、Tの字を形づくることです。
このアスペクトを占星術ではT字スクエアといい、大変な凶作用をもたらすとしています。

また、天王星はおひつじ座、木星はかに座、冥王星はやぎ座に回座していますが、これらはすべてカーディナル・サインでもあります。
カーディナル・サインは活動宮ともいい、新しいことをスタートさせたり、物事を活発に動かす働きをするのですが、T字スクエアの作用を受けてマイナスに働いてしまうのです。
この年の日本は悲壮感さえ漂い、国を根底から揺るがす状況になるでしょう。
国の思想をも変えてしまうような新しいカリスマが誕生して、国をリードしていくことになりそうです。


カーディナル・クライマックス
西洋占星術では、一般に星座として知られるサインをその特性から3つに分類しており、中でもじっとしていられず常に活動し続けるサインをカーディナル・サインとしています。 カーディナル・サインに分類されるのはおひつじ座、かに座、てんびん座、やぎ座の4サイン。物事を起動させたり、エンジンをかけたりする作用があるのです。 ただ、許容範囲を超えても加速を止めることができないため、アスペクトによるマイナスの影響も加速度的に強まって、とどまるところを知らない怖さがあります。

カーディナル・クライマックスとは、大天体の中でも土星、天王星、冥王星がカーディナル・サインの若い度数へと巡って3天体がスクエア、つまり90 度ずつの角度を 構成し、T字状になってT字スクエアとなるのですが、それぞれのスクエアが凶作用を及ぼし合うため、占星術の統計上、大変な凶現象とされています。 何とかしようともがいても身動きがとれない、十字架のはりつけ状態ともいうような状況なのです。

このカーディナル・クライマックスが訪れるのは、1929 ~ 1931年以来のこと。 1929年はアメリカに端を発した世界恐慌が巻き起こり、数年にわたって傷跡を残して第二次世界大戦への素地を築いたときでもあります。 つまり、今回も当時とまったく同じ状況に陥ってもおかしくないということなのです。

特に、今回はやぎ座の冥王星を中核に置くカーディナル・クライマックスです。 やぎ座は国家や基幹産業の象徴であり、さらに、やぎ座の冥王星は、革命を象徴し、国家が破壊されたり、基幹産業が根底からくつがえされたりするほどの強い影響があります。それは国家や地域を問わず、世界的なもの。 世界各地で国家に強く圧力が働き、機能不全の方向へと向かう力が強まるでしょう。 日本だけでなく、世界が同時にそうした方向へ向かっていくのです。 2011年チュニジアに端を発した民主化の革命の流れは如実にこれを表しています。

では、いつから影響が出始めたのでしょうか。土星、天王星、冥王星のうち、まず冥王星が2008 年1 月26 日から6 月25 日までの約半年間、カーディナル・サインの1つであるやぎ座に入り、一度、いて座へ逆行したのちに、再び2009年、やぎ座へと戻ってきました。 逆行というのは、進もうとしているものを無理やり引き戻すため、揺り戻し現象で、さらに凶作用が強くなってしまうのです。

ですから、2007年後半からアメリカでバブルが崩壊したころから徐々にその影響が出始めていたといえるかもしれません。 さらに、2008年9月15日のリーマン・ショックをきっかけに一気に経済危機が世界を席巻したのは、カーディナル・クライマックスの序章でもありました。

そして、もっとも影響が強まるのが2010 ~ 2012年です。2010年には土星がてんびん座に入り、4月9日から一度、おとめ座へ逆行。 再び7月23日にてんびん座へ戻って2012年10月6日までてんびん座に滞在することになります。 また、天王星も2010年6月にはおひつじ座に入り、8 月15 日に一度、うお座へ逆行したのち、2011 年3 月13日には再びおひつじ座へ戻ってくるのです。

2012年10月7日から土星が移行することで一旦、カーディナル・クライマックスが崩れるものの、2017年12月21日に再びカーディナル・サインであるやぎ座へ戻ってきます。 そこから数年、3天体が再びカーディナル・サインに滞在し続けることになります。

その流れの中で、3天体がカーディナル・サインでそろう2010年7月23日から8月14日、2011年3月13日~ 2012年10月6日は、まさに強力な凶アスペクトのただ中にあることになりますから、世界レベルで国家や経済が深刻な影響を受けるでしょう。

イメージで言えば、活動パワーでマイナスの働きがどんどん活発になり、国家や経済が過労死寸前の状況になっても、マイナスパワーの活動を止めることができないという恐ろしい状況に突入していくのです。

国家体制はこれまでの概念を覆す未知の領域へと向かうかもしれません。また、各国の基幹産業も、産業革命並みに大転換を遂げていくでしょう。既存の常識では物事が測れなくなり、生き残るには先見の明が必須となるでしょう。

それでも、不況といわれながら驚くべき経常利益を上げて成長を続ける企業もあります。厳しいとされる状況にあっても、その中に必ずチャンスは潜んでいるのです。 特に2012年、時代のムードに流されることなく、積極的に仕掛けていった人や企業は、一気に上昇気流に乗って、勝ち組へのステップを踏むことができるでしょう。 横並びだったものに差がつくなどといった程度の違いではなく、天地ほどに差が開いてしまうということです。

そうした変化の時代こそ、世界の動向を読むことができれば、先物取引などで先んじることも不可能ではありません。 経済やパワーバランスの変化を予想することができれば、為替取引で有利に事を進めることもできるでしょう。

景気回復の中国頼みなどもいわれますが、中国だけにとどまらず、突然の政変で、投資先国でのビジネス転換を余儀なくされることもあるかもしれません。

さらに言えば、資源や食糧確保が世界レベルで重要課題となる今後、それでも伸びていく業界はどこか。発展が期待される新興国への投資や進出、技術供与などはもちろん、世界的に寡占化が進む各産業界で、今後も発展し続けるための足がかりをいかにしてつかむか。

また、老後の資金はどうするのか。厳しい経済情勢の中で、満足のいく生活を享受できるだけの資金をいかに手にするか。 手元の株や通貨で、どうやって収益を上げていくか。 深刻な影響下だからこそ、個人資産をいかに守り増やすかは、重要な課題でもあるでしょう。

木星から冥王星の動きについて


木星木星

2011年1月14日からおひつじ座に。おひつじ座の木星は、管理能力に長け、リーダーシップを発揮できるときでもあります。 ただ、自分中心にならずに相手のモチベーションを上げるなど、相手本位でリードするのがコツ。

さらに同年6月6日からおうし座へ。 おうし座の木星は、金融機関など金銭を扱うビジネスにツキが巡ることになります。

その後、2012年6月14日からふたご座に移行します。ふたご座の木星は、オリジナリティや発想に優れることから、そうした能力を発信できるショップの経営や執筆活動、さらにネットショップなどにツキが巡ってきそうです。

2013年6月27日からは、かに座に回座します。かに座の木星は、販売業などにツキをもたらします。
また、家庭を大事にする発想に起因するビジネスも成長できるでしょう。

2014年7月17日からしし座に巡っていきますが、木星がしし座にあるときは、遊び心や華やかさがポイントでもあります。 ビジネスでも、そうした要素を抑えている企業が優勢となるでしょう。

2015年8月12日からは、おとめ座に。このころは、世の中のムードが物質主義へと傾斜していきそうです。 また、打算的なムードも強くなるかもしれません。 ただ、そうした傾向をうまくとらえれば、ビジネスでの成功に結びつけることも可能といえそうです。

そして、2016年9月10日からはてんびん座に移行していきます。同時に、世の中全体に楽観的なムードが広がっていきそうです。これは消費行動などにも影響することが考えられますから、景気浮揚効果を期待したいところです。

その後、2017年10月11日、さそり座に。さそり座の木星は、金融機関などにツキをもたらしそうです。 ただ、利権闘争なども勃発するかもしれません。政治や企業の動向を注視する必要があるでしょう。

2018年11日19日からは、いて座に回座します。いて座の木星は、プラスに働けば社会貢献活動などが活発化するでしょう。また、物質から心の豊かさを大事にする時代へと変化を遂げそうです。ビジネスでも、そうした時代のニーズに応えることができれば、成功への近道となるでしょう。

2019年12月4日からやぎ座へと移っていきます。この時期、社会全体が常識を大切にし、古風な価値観への回顧が起こるかもしれません。ですから、そうした意識を持ち合わせていることが、社会で活躍する1つのカギとなりそうです。また、建設的なムードが高まるときでもあります。

その後、木星は2020年5月14日からやぎ座で逆行します。同年9月13日から再び巡行するのですが、それまでは慎重に地固めをしてものごとを進めましょう。思わぬ出来事で足もとをすくわれるかもしれません。

土星土星

2010 年4 月9 日から7 月22 日までてんびん座からおとめ座へ逆行したのち、土星は7月23日から再びてんびん座へ。ここから8月15日に天王星がうお座へ逆行するまで、まさに3天体がカーディナル・サインに滞在し、もっともカーディナル・クライマックスの影響が強まることになります。

前述のとおり、カーディナル・クライマックスのときは大変厳しい時期。その一角を構成するてんびん座の土星は、自己犠牲を強いられたり、責任回避が見られたり、過剰な感情を呼び覚ます原因をつくったりといったマイナスの側面を持っています。

人々は政治の混迷でかなり犠牲を強いられたり、労働環境でもリストラや非正規雇用の増加などのインパクトに巻き込まれるかもしれません。特に、年金や土地の問題、高齢者にかかわることや介護についてなどに、自己犠牲や責任回避の傾向が強まりそうです。

また、こうした厳しい状況に対して政府や企業は責任逃れをしようとすることもあるでしょう。ほかにも、社会が悲鳴を上げるような厳しい出来事が次々と起こることも考えられます。この試練をどう生かすか、また、どうチャンスに転じるかが、この時期を乗り切るカギとなるのは間違いありません。

その後、土星は2012年10月7日、さそり座へ移行していきます。さそり座の土星は非常に辛抱強い半面、物事の白黒をはっきりさせ、徹底的で容赦がありません。そうしたことから、社会も白黒をはっきりさせたがるようなムードに包まれるかもしれません。権力闘争が顕著になることも考えられます。

また、金融系にツキがありますから、金融機関などに注目すればチャンスが見つけやすいでしょう。これまで曖昧にしてきた年金やその仕組みについても、はっきりさせようという動きが活発化しそうです。

2014 年12 月25 日からいて座に入ります。2015 年6 月16 日から9 月18 日まで、さそり座に逆行し、2017 年12 月20 日までいて座にとどまります。いて座の土星は、教育や研究の分野で強みを発揮します。ですから、この時期は、教育産業などに勢いが生まれるかもしれません。また、日本の国力浮揚を目指して、研究開発などにスポットライトが当たることも考えられるでしょう。

2017年12月21日からは、やぎ座に移行します。土星はやぎ座の支配星でもあり、地域回帰へ向かう時期。また、社会常識や規範などを重視する動きが出てきそうです。地方で展開するビジネスなどが、脚光を浴びるかもしれません。また、地方に暮らす高齢者にも関心が高まりそうです。老人介護なども、地域ぐるみで取り組む動きが出てくるでしょう。また、不動産にも強い影響を与えることから、地価が上昇しそうです。2020年12月20日からは、土星はみずがめ座に移行します。この時期は木星も同じ位置にあるので、本来ならうまくいくことが抑制されてしまいます。一か八かの無謀な挑戦は避けたほうがいいでしょう。

天王星天王星

2010 年6 月7 日、天王星はうお座からおひつじ座へ移行し、2010 年8月15日から再びうお座へ逆行したあと、2011年3月13日~ 2018年5月15日までおひつじ座にとどまります。この時期は、これまでの常識を覆すような出来事が起こるなか、新しいモノの考え方や技術が生まれ、広がっていきます。また、さまざまなことが二極化する傾向がうかがえます。

おひつじ座の天王星は、現在の状況をストップさせて、そこから新しいことを始めるというパイオニアパワーを持っています。キーワードは衝撃的な展開。ですから、政治でもビジネスでも投資のマーケットでも、一旦、現状を停滞させて、そこから新しいことがスタートしていく時期となるでしょう。特に、株への影響はダイレクトに表れそうです。社会では、企業の再構築が進むかもしれません。

ただ、マイナスに作用した場合、過去のあらゆる伝統や習慣を否定して暴力的傾向が生まれたり、コントロールを失う危険をはらんでいます。前回、天王星がおひつじ座に巡っていたのは1928 ~ 1934年のこと。やはり世界恐慌という衝撃的な展開があり、世界の様相は新たなステージへと突入していきました。ですから、今回もその動向には十分に注意したいところです。行政や企業、株式市場といった事象に迷走が起きる可能性があります。

また、逆行期というのは、その天体やサインの持つ意味合いが激しく揺れるときでもあります。うお座の天王星には、現実逃避を図るというマイナスの意味もあります。2010年8月からのうお座への逆行期以降は、長引く不況や厳しい雇用情勢に嫌気がさした人々の間に、現実逃避を図るムードが蔓延する可能性もあるでしょう。

さらに、天王星がうお座にあるときは、ムードの変化が激しくなりやすいので、ビジネスや投資でも念頭に置くほうがよいかもしれません。
行政や企業、株式市場のムードがコロコロと変わってしまうことになりそうです。

海王星海王星

2011年4月4日までみずがめ座に滞在する海王星。みずがめ座の海王星は、人々のムードが論理的になっていく傾向があるのです。そうしたことから、これまでにない発想による新たな製品や芸術などの誕生が期待できる時期といってもいいでしょう。前回、海王星がみずがめ座にあった1834~ 1847年の間には、ウラニウムの発見や、路面電車、空気タイヤの発明などがありました。

2011年4月5日~ 8月6日までうお座へ移行するのですが、8月7日から、再びみずがめ座に逆行します。天体が逆行するときは、物事が激しく揺さぶられるとき。ですから、この逆行期には注意が必要です。海王星プラスみずがめ座の要素である発明が撤回されたり、受け入れられなかったりするかもしれません。

2012年2月4日からは、完全にうお座へ移行します。うお座の海王星というのは、素晴らしい詩や音楽が誕生したり、医薬品の発見や新しい文化の誕生などを示唆しています。

前回、海王星がうお座にあった1847 ~ 1861年は、カリフォルニアのゴールドラッシュが始まり、マルクスとエンゲルスが『資本論』を、ダーウィンが『進化論』を発表した時代でした。

うお座は海王星自体のサインでもありますから、その影響力はさらに強められることになります。今回も、新たな医薬品の発表などで製薬会社がより大きく成長するかもしれません。また、新たな理論や技術などが世界を席巻することもありそうです。メディアの在り方や発想も転換される時期となるでしょう。その後、海王星は2020年7月2日からうお座を逆行します。活気付いていた状況が停滞し始め、少しずつ悲観的な感情を持ちやすくやります。

冥王星冥王星

2009 ~ 2024年まで、冥王星はやぎ座に回座します。
やぎ座の冥王星のキーワードは、革命。10大天体のうち太陽系のもっとも外側を周回する冥王星は、地球から見れば移動のスピードはとても緩やかです。

やぎ座に回座するのは1762 ~ 1778 年の間以来です。このように冥王星がやぎ座にあったときは、アメリカがイギリスとの戦いの末、独立宣言を行うという大きな改革が巻き起こった波乱の時代です。一方で、ワットによるスチームエンジンの発明など、産業革命全盛の時代でもありました。

こうしたことから、これからの10年にも、国家体制が根底から覆されるような状況になることもあり得るでしょう。ビジネスや投資のシーンでは、そうした政治リスクにも十分に留意したいところです。また、地球環境にとっても大きな転換点となるでしょう。


今後の金融マーケットの動向
長らくリーマン・ショックの余波を引きずった金融市場。どのタイミングで投資のチャンスが巡ってくるのか、また、どの時期は投資に慎重さが求められるか、天体による影響の流れを追ってみましょう。

これら天体の影響というのは、アスペクトが完全になる前から徐々に働きかけが始まっているので、厳密に日付で区切るというよりは、その角度がまさに構成される前後も含めて動向に注意していくとよいでしょう。

2011年の7月ごろから、世界経済の中で一部の国家の株価は上昇基調に転じます。上げ圧力を発する木星と、冥王星が120度の角度を構成して、プラスパワーをもたらすからです。しっかりと分析して投資を行えば、確実に儲けるチャンスが存在するといえるでしょう。特に、電機産業、自動車産業などの製造業にツキがありそうです。ただ、円相場はかなり弱含みで推移しそうなので、そうした動向を考慮しつつ、戦略的に運用するとよいかもしれません。

こうした傾向は2012 年の春ごろまで続きそうです。ただ、6 月ごろからは、一気に市況に変化が起こりそうです。改革を表す天王星と冥王星がスクエア、つまり90度の角度を構成し、今度はマイナスパワーを発するためです。その時期からは、しばらく市況から明るいムードが失われそうです。中でも2013年は、社会構造自体がガラッと変わるかもしれません。家電産業や機械産業などの企業の中には、倒産するところも出てくるでしょう。ただ、それは新しい息吹が芽吹く動きにもつながりそうです。


しばらく低迷が続く金融市場に明るさが戻ってきそうなのは、2014年の9月ごろ。木星と天王星が120度の角度を構成するからです。この傾向は10月中旬ごろまで続くでしょう。

2015年3月ごろ再び、木星と天王星が120度となり上昇基調に。一旦、上昇圧力が弱まるものの、6月ごろに再び、木星と天王星が120度となり、上昇パワーが働きます。

また、10月には、木星と冥王星が120度の角度を構成し、プラスパワーで上昇していくでしょう。

市街地価格指数の推移(2000~2009年)



今後の不動産市況
およそ20年前には不動産バブルに沸いた日本ですが、景気低迷で先の見えない中、これからの不動産市況はどのように変化していくのでしょうか。

不動産の動向を主に表すのが土星なのですが、2011年は不動産価格が下がる方向に向かい、2012 年の前半まで土地や不動産は大きく動かないでしょう。一時、地価は上がるときもありますが、実は水面下では非常に揺れていて、真の価値を表していないのです。

これは逆に言えば、投資用物件ではなくて居住用物件を求めている人には大変なチャンスともなり得るわけです。

全体の動向で見れば、2012年10月7日から、土星はさそり座に移行していきます。さそり座というのは、柔軟に形を変える水の星座。ですから、この時期から少しずつ動きが出てくるでしょう。下落一方の地価が下げ止まって、多少よい方向に向かうはずです。

そして、土星が火のサインであるいて座に巡ってくる2014年12月末ごろから、上昇へ向けた流れが生まれてきそうです。12月25日にいて座に入りますから、このときには一瞬、上昇を見せるでしょう。火のサインというのは、とにかく上に押し上げていく勢いを持っているからです。木星にも、火のサインであるしし座が巡っていますから、両方からのパワーを受けることになり、上昇トレンドに転じるでしょう。

ただ、すんなりといて座に移行できずに、一度、2015年6月19日からさそり座に逆行するため、膨らみかけた風船を無理やり止めて、再び膨らませるかのように、この逆行期は極端な動きを見せるかもしれません。そうした動きが一段落したとしても、しばらく上がったり下がったりと市況は落ち着くことがないでしょう。

その後、2017年末から地のサインであるやぎ座へと移っていくことから、不動産価格は安定していきそうです。また、不動産市況を安定に導くような新たな法の制定など、不動産取引の新たな枠組みづくりが行われるかもしれません。

さらに、2018 年から不動産価格は少しずつ上昇の動きを見せ始め、2019年には、天王星も地のサインであるおひつじ座に入っていくことから、いっそうその勢いが強まるでしょう。

そして、2020年から上昇基調が反転し、緩やかな右肩下がりの価格動向となるでしょう。ここから、六大都市を含め、全国的に下落基調が続くかもしれません。

市街地価格指数の推移(2009~2020年)



その他注目すべき時期(地震、新ビジネス、政治的なことなど)

● 自然災害
西洋占星術では、天体配置のチャートを作成して社会の動向を解析していきますが、その中では地震の起こり得る時期も見てきました。

日本はいくつものプレート上に位置する島国であることから、世界でも有数の地震大国です。これまでも、地震列島とも呼ばれるほど頻繁に大きな地震を経験してきた私たちですが、特にこれからの数年は毎年のように「地震や、それに関する天災」が起きてもおかしくない暗示が出ています。

日本の首都・東京は、世界を区分するとしし座の18 度に位置することになります。そこで見ていくと、天体配置チャートの基点となる位置がしし座の18 度に数度とたがわない位置であるときに日食が起こると、大なり小なり地震が起こるのです。

さらに、月と太陽が固定サインといわれるおうし座、しし座、さそり座、みずがめ座に回座したときに日食が起こるなど、いくつかの条件事象が重なれば重なるほど、大きな地震を起こすエネルギーが集まるといえるでしょう。今後数年は、毎年のようにそうした条件のいずれかが当てはまるので、事前に備えておく必要がありそうです。

2012年までは毎年、潜在的に地震の可能性がかなり高いといえるでしょう。2011年12月ごろは、小規模ではありますが、地震が発生する確率が高い時期です。

2012年は、かなり強い地震の予兆が出てきています。2012年3月ごろや、7月ごろにも地震があるかもしれません。また、5月21日は金環食、つまり日食の際に太陽が月からはみ出て光の輪のようになる現象が、日本にも影響を与える位置で起こるため、その後しばらく注意しておいたほうがよさそうです。

2013 年2 月ごろなどは、やはりいくつかの条件が重なるため、揺れの大きい地震があるでしょう。また、同年の12月ごろも若干、気になります。

さらに強い地震があってもおかしくないのが2014 年です。第4 ハウスという位置がおうし座で、冥王星がチャートの基点となるアセンダント(上昇)になっています。2016 年3 月9 日も皆既食があるので、チェックしておきたいところです。

また、再び2019年12月26日には、2012 年と同様、日本に影響をもたらす位置で金環食が起こるため、地震がありそうです。

地震があれば、日常の暮らしはもちろん、ビジネスへの影響も免れません。それは結果として、投資銘柄などにも影響してきます。以上の事象を参考に、いつ大きな地震に襲われても対応できるように、対策を立てておきたいところです。

● 新ビジネス
新興国の需要増なども呼び水となって、世界的に食料や資源確保の問題が論じられています。そうした中、ご存知のように日本の技術力を用いて水の不足している国に、水をろ過して供給するビジネスなどが注目を集めています。

現在では、まだまだ水メジャーといわれる海外企業とはシェアベースでも比較にならないほどの規模ですが、2013年夏~ 2014年の夏ごろまで、成長を後押ししてくれる木星が水ビジネスを表すかに座に回遊するため、大きく成長を遂げる可能性があります。

また、2012年までは世界がカーディナル・クライマックスの影響下という過酷な状況の中で、先進国として世界を牽引してきた国が変化を余儀なくされたり、新興国においても国家体制がまったく新しく生まれ変わったり、産業構造が激変したりと、世界は姿を変えていくでしょう。

そうした中で、今後の10 年を通してキーワードとなりそうなのが、うお座に象徴される相手を思いやるということ。2012年2月4日からは海王星がうお座に巡ってきます。うお座は海王星自身のサインでもありますから、その影響は非常に強くなるのです。また、2011年もラッキー天体といわれる木星や、改革をうながす天王星がうお座を行ったり来たりします。

ビジネスでは、うお座は医療や介護、福祉などを表すので、当然、そうした分野は成長が期待できるでしょう。また、時代性として、人生に対する価値観でも、そうしたスタンスを忘れないことが幸せにつながりそうです。

● 政治的な注目時期
政権に変化があれば、政府の方向性も変わるなどビジネスや投資環境にも影響が出てきます。たとえば、選挙の行われる時期。日本では2013年、2016年、2019年に参議院議員選挙が、2013年、2017年には衆議院議員選挙が行われる予定です。

ただ、衆議院議員選挙は解散総選挙となって衆議院議員任期の4年を満了しないことも多いものです。ホロスコープでは、2011年も政治や行政の動きが活発ですし、2012年は政府に大きな動きがありそうです。反対に2013年は選挙がある年にもかかわらず、大きな変化がうかがえません。さらに、2014年には新しいフィクサーが裏で動き始め、2015年には再び議会や行政に変動が起こります。

このように、選挙が行われる年以外にも選挙が実施されたり、選挙制度そのものが変わる可能性があります。改革をうながす冥王星が、2024年までは政府を意味するやぎ座に滞在するので、政局には大いに注目していきたいところです。

アメリカでも2012 年、2016 年、2020 年には大統領選挙が控えていますが、こちらも十分に波乱が予想されます。注視する必要があるでしょう。

● 経済に波及する国際イベントにも注目
今後に予定されている国際イベントで、同じように経済にも大きなプラス効果が期待されているのが、新興国として注目されるブラジルでしょう。2014年にはサッカー・ワールドカップの開催、2016年には南米初の夏季オリンピック開催が予定されています。これにともなうインフラ整備で、建設業界や宿泊施設などに活気がもたらされるでしょう。

一方で、上海万博でも一部で指摘されているように、支出が大幅に拡大して最終的には赤字になる可能性も否定はできません。当然、チャンスもあればリスクもあるわけです。

では、天体の影響はどうなるのでしょうか。ブラジルはおとめ座となるのですが、まさに2015年8月~ 2016年9月9日まで、おとめ座にラッキー天体の木星が巡ってきます。こうしたことから、2016年の夏季オリンピックは大成功を収めてブラジルに活気と成長をもたらしそうです。

また、2012年にはロンドンで夏季オリンピックの開催が予定されています。イギリスはおひつじ座となるのですが、2012年にはおひつじ座に改革や突発的な出来事を表す天王星が回遊していることから、これまでのオリンピックとはがらりと異なる大会となるでしょう。

また、今後勢力が拡大しそうなエネルギーを持つ、インドやトルコ、メキシコなどの動きにも注目したいところです。

こうしたさまざまな動向がビジネスや経済に及ぼす影響を念頭に置きつつ、この10年にチャンスを見出せば、たしかな成功を手にすることも不可能ではないでしょう。